空中庭園

気になっていた角田光代の「空中庭園」を読んでみた。
予定日はジミー・ペイジ」や「ロック母」が読みたいのだけど、文庫化されてないのでまずこちらから。

はっきり言って、ホラーです。
怖いです。
よくこんな怖い物語が書けたもんだ。
霊的なものとか、殺人とか、和田勉の頭頂部とか、そういう“いわゆる”ホラーではないんです。
現代の社会を素材とし、添加物無しに皿に盛りつけるんだけど、もうね、その皿が怖い。
ガストとかサイゼリアとかの傷だらけで、全く光を反射しない皿とか、冷たい給食のアルマイトの皿とか。
そういう皿に、薄ら寒い見せかけの連帯感、「僕たち寂しくなんかないよ」、「友達100人できるかな?」っていう、高度成長期以降の教育の成果を、モンテローザ風に盛りつけるわけですよ。
背筋がゾーっとしますよ。

この物語の中心にデーンと存在するのが「ダンチ」。
言うなればこれは『団地小説』です。
私の通った小学校の生徒の8割ぐらいは団地住まい(ほとんどが新日鉄八幡工場勤務。なんせ100棟まであったもんね)だったので、全く同じ作りの部屋なのに、それぞれの部屋で日の射し方、匂いが違うっていう、身近なパラレルワールドを体験していたので、この小説の描写が手に取るようにわかる。

父、母、長女(高校生)、長男(中学生)の4人が暮らす、ごく普通の郊外の家庭(多摩ニュータウン?)を描いているのですが、この家族とそこに関わる人物それぞれの視点から語られる、物語とも言えない物語を、作者はGAPやZARAやユニクロのごとくディスプレイする。
問題提起をしないことが、却って問題を浮き上がらせる。
他人との距離感、親子の距離感、家族の距離感を絶妙のバランスで描ききる。
アッパーかダウナーかって言ったらダウナー。
でも、村上春樹みたいに、自分でもはっきり分かるぐらいには落ちない。
好きな人にふられたっていうよりも、朝のコンビニの店員の愛想が悪かったぐらいの?ダウン感。
絶妙!
なんかムカツク。
これを狙って書いた角田光代に3000点。



AKBKライブのお知らせ。
2/28(土)『SCUM BIRTHDAY』
新大久保 EARTHDOM
OPEN 14:30 START 15:00

AKBK
CROSSBRED
犬彦(JON(犬)+HIKO)
HAIR STYLISTICS+α
つるばみ(河端一+東洋之+恵美伸子)
大野雅彦(from SOLMANIA) with ASTRO /Hiroshi Hasegawa
bt.mp.disciples(ヨシカワショウゴ+青野忠彦)
相対性理論
吉田達也×植村昌弘 

lighting:CAPTAIN STAG(dbqp+中原昌也)

DJ:MURA、TQR

AKBKのノイズ担当であり、kuruucrewのノイズギター担当でもある村田学の、毎年恒例の自作自演自祝のイベントです。
オリコン7位の相対性理論も登場です。
よく知りませんが。
AKBKの出番は2番目で、15:30ぐらいでしょうか。

よろしくどーぞ


あーっと、今日はアンチノックにENEMAを見に行って来ました。
クロちゃんのギターは、オッサン臭くて最高です。
たまらんです。

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